Archive for 2002年10月

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週刊「ナビィ、の部屋」第24号

 秋です!!コーヒー中毒に近いわたくしが、コーヒーよりも紅茶を飲む量が増える季節です。
 読書のお供は『キャラメルミルクティー』か『チャイ』

 何でか解らないけど、この2つのお茶だと「読むぞ〜」って気になるの。

 そんな訳で、(あんまり繋がりないけど、、、)読書の秋って事で最近読んだちょいといい本のお話。

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 まずは月刊『Casa BRUTUS』の9月号

 『安藤忠雄×旅 世界の建築家と闘えますか?』

 これは、あーた、丸まる一冊大好きな「安藤忠雄」氏の特集です。

 安藤さんは、日本で一級建築家と言えば、東大、京大、芸大の建築学科卒が当たり前、と言われる世界で、高校卒業後、働きながら独学で一級建築士になった人です。

 その安藤さんが影響を受けた建築家の建造物を実際に自分の目で見るために、若い頃、船と列車でヨーロッパを旅した話しから始まって、今までに建築した建物、建築中の建物、を本人と訪ねる旅の本。

 旅をする事が与える影響の大きさは、うちも旅が好きなので解る。

 自分にとって必要な知恵を、旅に出る度に得ている気がする。

 まさに安藤さんもそうで、旅をし続ける事=創造し続ける事なのだ。

 年を老る毎に、フレッシュになってゆく安藤さんの軌跡も手に取るように伝わって来て、勇気を沢山もらった本です。

◆     ◆     ◆
『雪のひとひら』ポール.ギャリコ著 新潮文庫

 遠い、遠い空の高みで生まれた『雪のひとひら』が地上に舞い降りて、大河の一滴になり、『雨のしずく』という愛する人と出会い、子供を産み、育み、海を旅し、別れを経験し、そして強い陽の光りに照りつけられ、臨終を迎え、独り、再び生まれた場所、『空の高み』に戻って行くという話しです。

 生きる事やいのちのナゾを美しい自然描写と、深いく温かい言葉で綴られています。

 そして、他者への、そして自分への、神様への、永遠の愛について、そして『死』についてあまりにも、ファンタジックに描かれていて、その美しさと優しさにため息が出ました。

 読み終わった後、かなりの深い感動に包まれました。

 原マスミ氏の挿し絵も、ものすごく素敵です。

◆     ◆     ◆
『ネオフィリア』ライエル.ワトソン著 ちくま文庫

 ライエル.ワトソン氏は有名な生物学者なので、御存じの方は沢山いると思いますが、うちはこの1冊しか読んでないの。

 『ネオフィリア』って言うのは『新しいもの好き』っていう意味らしい。

 それは地球上の動物の中で人間だけに与えられた特性で、その特性のお陰で他の動物よりも、進化と繁栄を遂げた、と彼は考えた。

 だからと言って、いわゆる『人間至上主義』ではありません。

 読み進んで行く内に、人間も他の動物も同じ様に、ユニークで貴重な存在の動物の一種なのだ、と思う様になっていた。

 うちは、別に何かの根拠があったわけではないけれど、『人間だけが、地球上で一番進化した動物だ』と考えるのは違う、と思っている。

 時々、そういう事をさら〜〜〜〜っと言ってのける人とは、話したって平行線なのは解っているのに、口論になってしまう。

 他の動物には、その動物なりの進化があるし、それを人間が理解してないだけなのでは?と思う。

 それに「一番進化している」と言うのなら、他の生物のリーダーとなって、この星がいつまでも、全ての生物にとっても生き易い、美しい星で在るように責任を持って生きて欲しいと思う。

 うちは本当に生物だの、物理だの、理科が大の苦手だった。

 そんなうちでも楽しく、ワクワクしながら読めた一冊です。

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『スピリットジャーニー』マディ.クロトネゴロ著 アートダイジェスト社

 これはかなり昔から友達から借りっ放しになってる本(すんません)

 この間、バリでうちはこの物語りの作者、マディ.クロトネゴロ氏に会った。

 ある日、何気なく彼の運営するミュージアムに行った。

 マディ氏に会えるとは全然期待していなかった。

 彼は、翌日から10日間ジャカルタに行く所だったので「君は良い時に来たね」と言って、迎え入れてくれ、美味しいお茶を飲みながら、色んな話をしてくれた。

 それはかなり精神的な話しで、インドネシア語と英語を混ぜて、中々理解の遅い私達に何度も何度もくり返して、ゆっくりと、まるで記憶の層に刻みつけるかの様に話してくれた。

 私がかなり驚いたのは、「現実の私は、心穏やかで、慈愛に満ちあふれていて、全ての命が光り輝く存在であると思っているのに、非現実の私と来たら、ウブドのにぎやかさに、目をくらませ、人を羨み、日本女性のお尻を追っかけたりする」と彼が言った事だった。

 うちにとっての「現実の私と非現実の私像」は彼が言うのとは、全く逆だったから。

 非現実、例えば瞑想をしたり、心を落ち着ける為の特別な何かをした時のうちは彼の言う「現実の私」になれるのかもしれないが、

この目で見える世界で、聞こえる音に反応し、誰かの言葉に心を動かされ、いらだったり、笑ったりしているのが、うちにとっての現実。

そう思っていた。してそれは、皆そうなんだと、

 みんなそうだからこそ、あらゆる宗教があり、心の修行があるのだと思ってた。

 でも、彼と話しをし続けるうち、少しづつ彼の言ってる事の方が真実なのかもしれない、と思う様になって来た。

 それは帰国してから、今に至までの間、段々と確信になって来た。

 どちらが現実の自分なのか?それは自分で決めればいい事なのだ。

 自分で決めた様に、全ては在る。

 「幸せに生きる」と決めれば、幸せに生きてゆける、そういう事なのだと思う。

 彼の言葉、出会いはとても大きかった。

 帰国してもう一度、「スピリットジャーニー」を読んでみた。

 バリの先住民『バリアガ』の住む『トゥンガナン』と言う村に語り継がれる神話を元に、彼の『精神論』が民話の中で展開されてゆく。

 バリ島の地理がわからない人には、もしかしたら解りづらい箇所も多々あるのかもしれないけど、人間のエゴで自然との調和がはかれなくなって、地球の危機が叫ばれる

 『今』だからこそ、この物語りから教えられる様なメッセージを受け取り、知恵にしてゆかなきゃーね、と思う。

 改めてそう思った本です。

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 読書の秋、あなたのお薦め本も教えてやー!ではまたやーさい。