Archive for 2002年04月

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週刊「ナビィ、の部屋」第18号

「先生、あのね、こうパシャって押して、あれ?なんでうちを撮るわけ?」
「先生、あのね、こうパシャって押して、
あれ?なんでうちを撮るわけ?」

 あたしは最近写真を撮るのが好きだ。下手なんだけどねぇ、、

 去年アイスランドに行って、その景色を激写してたら、楽しくてねぇ〜

 出来上がった作品みたらどれも、いい出来!!!

 「うちってば才能あるやん」って思ってたら、あれはモデルが良かったんやね。

 なんでか構図が悪い訳さ、うちの場合。

 にーにーとかさ、構図がいいわけよ、やっぱり絵が上手いからかな??

 練習で使ってる吉祥寺のスタジオ『GOK』のオーナー近藤さんは大のカメラ好き。

 音楽スタジオなのに何故か中古カメラが売られてる。

 リハーサルの後に近藤さんに相談してみた。色々不満や理想を言ってみたら、親切にも色々教えて下さり、しかもドイツのライカとミノルタが一緒に作ったという中古のカメラまで貸して下さった。「練習して下さい」と、

 ので、わたくし、只今「近藤写真塾」の生徒でございます。

 でまた激写し始めた訳です。

 一時期なんて「あんたは林家ぺーとパ−子か??」ってくらいなんでもかんでも撮ってたけど、いくらなんでもお金のムダか?と思って「本当に撮りたい」と思うもの以外はやめた。

 夕暮れの井の頭公園、池で泳ぐ水鳥と波紋、夜桜、光りの教会、

 お気に入りの「ミノルタライカ」でお気に入りのモノをパチリ。

 そりゃーね「ダメじゃん」ってのも沢山沢山あるけど、「おお、ぐっと来るぜ」ってのも増えた。先生有難う!!

 大量に集ったら誰にも頼まれはしないだろうが、写真集でも出そうかなー

 フランスの人達で「ツェツェ」っていうデザイン会社をやってる人達が出してる、世界中を旅した本があって、それが大好きなの。写真もいい感じ。すごく夢があって可愛くて、アホっぽいのに「人間っておもしろいよね」って思わせる愛ある写真がいっぱい。

 このテイストと、藤原新也さんの様な「あの世とこの世」「生と死」「光りと影」みたいに両極のものが同居してる様なテクニックをミックスした様な(って意味わからん??)写真が撮れる様になりたい!!

 でもすぐに上手くなったんじゃーつまんないか。ははは〜〜自分でも乞う御期待って事で、んじゃーね、

我が師匠、スタジオオーナーにして、レコーディングエンジニアにして、カメラマンにして、写真塾塾長、近藤さん。弟子作品その1
我が師匠、スタジオオーナーにして、
レコーディングエンジニアにして、
カメラマンにして、
写真塾塾長、近藤さん。
弟子作品その1

弟子作品その2『桜は空に向かう』春日丘公園にて、
弟子作品その2
『桜は空に向かう』春日丘公園にて、

   

週刊「ナビィ、の部屋」第17号

 はいたい!!大阪ツアーのついでにかねてから行ってみたかった、大阪は茨木市にある、安藤忠雄設計による教会『光り教会』こと『春日丘教会』に行って来ました。
 教会内部の写真は公開出来ないので、外の写真とオルガン周辺の写真を載せました。

 ううう−ー−、教会内部は本当にもぉぉぉ素晴らしかった!!!

 お見せしたいわ−ー−ん!!でも「ダメ」って言われちゃったので、、

 コンクリート打っ放しの、ものすごくシンプルな作りの礼拝堂の、正面の壁を十字に切り抜いて、ガラスを入れてて、そこから光りが差し込むので、光りの十字架が現われるのです。

 信者さんが礼拝で使う備え付けの黒い木製のイスと机、(工事用の足場板を削って黒く塗ったモノを使用)それがますます「光りの十字架」を際立たせていました。

 礼拝堂はガラス張り重いドアーを開けて、でもドアーの前にはコンクリートの壁があります。

 だから、礼拝堂入ってすぐに十字架が見えるのではなく、壁を越えたら見える様になっていました。

 私が安藤忠雄という建築家を知ったのは、おととしのお正月、実家で何気なく観てたNHKBSのドキュメンタリー番組でした。

 安藤さんが今までに建築した建物を、依頼者の話しを交えて紹介していました。

 ひとつひとつの建築物について、どんな想いを込めたのか?という安藤さん本人のコメントもありました。

 その時の安藤さんの話しは、全部は覚えていないし、うろ覚えなんだけど、結局「心」についての話しだった様に思います。

 その安藤さんがあまりにもかっこいいので、しばらく「忠雄熱」にうなされてたんだけど、ここ最近はめっきり冷めてました。

 で、本屋さんで「光りの教会、安藤忠雄の現場」って本を見つけて買って読んだら、見事に再発!!!

 この本、ドキュメンタリー本なんだけど、書いてる人が建築家でライターで、って人だから、すごくおもしろくて、建築現場を見つけると「もしかして、あれはあの事だろうか?」とか、「これは、きっと木痕ってやつに違いない」とか、思わず立ち止まって見入ったりなんかして、、、

 ちょびっとだけ、建築についてもの知りになった、はず、、、そうだはず、、、

 で、やっぱりその本でも安藤忠雄氏はかっこよく、そして「心」を中心に「心」で仕事をしてた。

 教会は「祈る」という行為を集団で行う非日常の空間だと考えるから、重いドアーと壁で日常と非日常の境目を作ったし、でもその空間で人々が集い、手を合わせ、歌い、神を感じる、という行為を行うことでしか、その空間は「教会」には成り得ない。

 つまり、人の心が、その建物を教会にすると考えたから、豪華な装飾は必要なく、そぎ落とされた「精神」を表わしてるかの様な建築、内装にこだわっていた。

 この本を読んで実際訪れてみると、いちいち納得のいく事ばっかりだった。

 それはすごい事ですよ。おこがましいけど、同じ「作る人間」として思いますが、心の中の事を自分も依頼者も納得の行く形に作り上げて、しかも、たった一度本を読んだだけの人間にも納得させる説得力。言葉もなんにもありゃーしない、あるのは建物だけです。すごいです。

 でも、人が集ってこそ、安藤忠雄さんの作品「光りの教会」になるんだな、と思うと礼拝に参加したくなりました。本人も教会関係者も「そうして欲しい」とコメントを書いてました。

 見学に来てた若き建築家さんと、十字架の前で写真の撮り合いっこをして、少し話しをして、「忠雄の様なかっこいい大人になりましょう」と誓ってお別れしたのでした。

 光りの教会『茨木春日丘教会』 http://www.asahi-net.or.jp/~nv3n-krkm/